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連載SFの予定

以前に書いたヒロイックファンタジーの連載を計画しています。

はじめての少年少女向け冒険ものとして書いたものですが、どこにも掲載されていないので復刻ではありません。

ただ、原稿用紙500枚をこえる分量なので、ブログで全ページ発表できるかどうか危ぶんでいるところです。

SF関連の書評などをはさむと連載の意味が薄くなるため別のブログを立てるかもしれません。

空白の時間にお茶のみ話のような雰囲気で、一時をすごせる

そういう物語ですが

なにぶんにも古いし、自分の目指す散文と詩の融合をめざすにはあまりに出来上がりすぎているし、改稿はどの程度できるのか。

ほんとに改稿するのか、そして連載はいつ始めるのか、ダイジェスト版としてやるのか

決めていませんが時期が近いことだけは決定しています。

こうご期待!

美しい星

TV放送された「美しい星」原作 三島由紀夫

「吉田大八監督が映画化。平凡な家族が突如として「宇宙人」に覚醒する姿を、舞台を現代に置き換えた大胆な脚色で描く」

という映画なんですが、やはり安部公房の「人間そっくり」を想起してしまいます。(自分の現在いる場所の現実が寓話の世界なのか実話の世界なのか判らなくなる物語。きちがいじみた男との会話の応酬から次第にそれに巻き込まれ、相手の狂気を証明しようと、、、wikiより)

文学者ということで、いわゆるSFとして発表するには、こういう展開にならざるを得ないのでしょうが。それは三島由紀夫でも同じような境遇で、いくらSFが好きでもSFとして発表するにはSFと文学の境界線を狙わざるを得ない
そんな苦労も感じられますが、

美しい星はやはり見ていておもしろい 飽きないですね はったり? 「渇き」というはったりで観客を楽しませるあの映画と

同じような面白さが感じられます。

録画してしまいましたよ。録画してしまうとよほどのことがない限り見ないんですが、美しい星はどうでしょう?
再度、見るのでしょうか?

未来をのぞく話 黒沼 健


「未来をのぞく話」  黒沼 健   昭和37年(1962年)7月31日 新潮社発行


黒沼健の異色読み物シリーズの第6集である本書には次の物語がおさめられている。


(ESPに関係のある話)
おどろき物語  9
マヤとインカの麻薬  23
眠り仙人掌  38
未来をのぞく話  56
SS氏の奇妙な体験  72
マーエ島の木箱の謎  88
「サイコ」に殺された女  95
ノストラダムス余録  105
X線男後日譚  109

(怪奇な話)
奇怪な罪囚物語  117
「しゃれこうべ」と下顎骨  132
巨大なミミズの話  141
地獄船オークス号  145
小人物語  158

(秘境と宝探しの話)
幻の黄金郷  169
石油王になった考古学者  177
アタワルパの遺宝  184
ニヴェンの古代都市  191

あとがき  203

数字はページ数を示す。


さて、本書の特徴的な点についてひとこと、その1

特徴的なのは、「はじめに」がある点だ。以下に要約すると、
ーー本集はごらんのような体裁にならざるを得なかった。(全部ESPに関する話にならなかった、というわけです)
ーーこれらの怪異譚と今度の6篇をあわせるとESPに関係のある話だけからなる怪異物語ができるわけだが、
「これまでと同じものは重複して収録しないという方針を破るに忍びなかった、」

つまり、内容は同じものを載せないという方針を貫いたのである。立派?としかいいようがない。

では、収録済みの6篇とはどのようなものだろう?

1.シェンシの金字塔(秘境物語)
2.世にも不思議な物語(謎と怪奇物語)
3.雲散霧消した話(同上)
4.木乃伊の手(驚異物語)
5.悪魔の目をもった男(謎と秘境物語)
6.人間レーダーとX線男(新・謎と怪奇物語)

謎と秘境物語は第4集、新・謎と怪奇物語は第5集だが、書名が似ているので混乱してしまう。
「はじめに」で言いたかったこととは、目次の(怪奇な話・5篇)と(秘境と宝探しの話・4篇)は必ずしも未来をのぞく話ではないということわりなのであった。

しかも、未来をのぞく話についてもことわり書きがあって、それは
「『マヤとインカの麻薬』、『眠り仙人掌』、『未来をのぞく話』にはそれぞれ重複するテーマが書かれている」というのだ。
それは、バニステリアと魔法のキノコであるという。
このテーマは3篇をあわせて読んではじめて全貌が明らかになるように書かれているというのである。お互いが相補っているのだ。

特徴的な点 その2

そしてめずらしく「あとがき」まで付加されているではないか!
これは黒沼健自分の体験を紹介したものだ。
この第6集は本人が直接登場する点でかなりユニークなものといえそうである。




「おどろき物語」
まずスペンサー・P・ソーントンのケンタッキーダービーの勝馬予想の話しからはじまる。
ここでプラトンの「ジンポジウム」に登場するアンドロギュノスの挿話があるが、これなどは衒学というか、目くらましというか、黒沼のお得意の手法である、奇抜で芸術的ともいえるやり方で、このソーントンの紹介はしめくくられるのだ。
アンドロギュノスは鉄腕アトムが半分になる話と似てますねー泡ぶく半身の着想を得たのはアンドロギュノスだったのでしょうか?
その次が3人兄弟による金鉱探しの話

「マヤとインカの麻薬」
要するに古代麻薬の話だが、それを分析してプシロシビンという麻酔薬が現代になって合成されたが、透視や未来の現象の予知は起こらない、という落ちはやはり神秘的なものに憧憬を求めるという黒沼物語シリーズの面目躍如であろう。

「眠り仙人掌」
この物語はめずらしく黒沼本人の話しである。船医の高家のノートにバニステリアという文字を見つけた時からそれははじまる。グスターフ・シェンクの毒物論、そこにかれは未来を出来事を予見するという記述を見出すのだ。
このあとは、黒沼物語の真骨頂である別の秘境怪異物語が挿入される。
しかも未来予見の解説に相対性理論まで登場するとは!
こじつけもかくや! これはもはや芸術的展開といえるでしょう。
で最後はというと、高家氏の奥様の醜聞で幕を閉じるので、読んでいる方は目をしろくろさせるばかりなのである。


「未来をのぞく話」
カミーユ・フラマリオン(1842年~1925年)
かれの本職は天文学者だったが、夢と未来予見の実例を集めて一冊の本を世に送るーー「ランコニュ(未知のもの)」1899年がそれである。
さて、黒沼は語る『ここには5例をあげたにすぎないが、「ランコニュ」にはなんと74例の事例が記述されているのである。かれはこれまでの幻覚説に敢然と挑戦したのである』
『フラマリオンは、多くの実例から、人間は夢の中で未来の出来事をみることができる、ということを説いた』
さて、つぎに例によって怪異話がはさまれるーーニューヨークの銀行家ゴードン・ワトソンの冒険譚である。
メキシコで発見した魔法のキノコを持ち帰り「プシロシピン」を抽出合成するのである。これは未来を予見するキノコなのであった。
つぎに、イワタケの挿話、そしてさいごにバニステリア、カクト・デ・ドルミーダ、ねむりのサボテン、アマゾンの奥地からコロンビアの東北部、山間ジャングル地帯でみられる不思議なつる草が紹介されるのだ。

これは
そう、前述の「眠り仙人掌」そのものなのである。
『土人たちは未来の出来事を予見する力をあたえる不思議な植物を栽培している』と、1541年フランシスコ・デ・オレヤナの探検隊に随行したガスパル・デ・カルバヤル神父による報告があると、記述されている。

黒沼の言「現在といい、未来というのは、長い線路上の駅みたいなものだという。だからそこへ行きつくのに要する時間が、何かのはずみに短縮されれば、いながらにして未来の出来事と同居する」

これ、どこかで読んだような?
ハインラインの「生命線」ではなかろうか?

ハインラインもまた、『未来の出来事というのは、まだ起こっていないものではなく、すでに起こっているに拘らず、われわれがそこの場所までまだ行き着いていないのだ』という考え方に傾いていたのかもしれない。

これ、人間の感覚とことばのあやが行き着くところかもしれないな。未来ということばが意味するものと、感覚が教える現在像のあやである。
138億光年のひろがりをもつ宇宙に存在する全原子の相互作用を未来として予見できれば、未来は時空連続体の駅として見えてくるだろう。ハインラインがその駅からの反響波によって人の死期を予見する話「生命線」を書いたように。


「ノストラダムス余録」
ーヘンリー・C・ロバーツの新しい解釈などー
黒沼はノストラダムスがお好みである。すでに「七十世紀の大予言」のなかでもくわしく紹介している。
だが、これを読むとその理解に多少?の疑問が湧いてくるーーというのも彼の死後にノストラダムスの予言集のかなり正確な研究書が出版されているからだ。

「しかもこの詩集は百詩集(サンクチュアリ)という形式で、一部にはそれぞれ百篇の詩が収められている。これが十二部まであるのだから、全部では千二百篇の四行詩があるわけだが、現在残っているのは九百六十七篇にすぎない。二百三十三篇が散逸してしまっているのである」と、黒沼は書いているが、信ぴょう性は薄いのだ。
なにしろ初版本が、1555年初版と言われているのである。

黒沼が参考にしたのは「『七十世紀の大予言』を書いた時は、1939年に入手したジョン・コブラーの解説書を底本として使った」とか「最近では1949年に刊行されたヘンリー・C・ロバーツのものが、説明が簡潔で、誤りがすくないといわれている」
ということなのである。(この件に関して黒沼とノストラダムスのかかわりについては、ネット上にコメントが散見されるが、そもそもノストラダムスの予言集自体の解説書のあいまいさとは別の話題である)

『およそ五百八十年ごろに
異常な年がある
七百三年には
多くの王国がその順位を変える』
(第六部第二篇)
という四行詩が紹介されている。
これの解釈を黒沼はロバーツの解説によって、ニケアの宗教会議が開かれた325年を起点にして、五百八十年頃を1914年と計算し、第一次世界大戦勃発の年と考えるのだ。
そして703年を2028年と計算し、その年に王国の順位が変わるというのである。

東京オリンピックから8年後だ。

読者諸氏も今から10年後を期待して待つことになる。



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後日、この「ノストラダムス予言集」をとりあげてみたい。




「X線男後日譚」
これはペーター・ファン・フルコス物語である。
先に「人間レーダーとX線男」のなかで書いた。

フルコスは高所からの転落事故のあと、ゆかりの品物に手をふれると持ち主の物語が頭の中に浮かんでくるようになる。
べつの透視術師の興行では、かれは助手と術者の不倫を会場であばき、一躍ヨーロッパで有名になるのだ。(フルコスはオランダ人)
この物語はわずか6ページしかない。
つづいてヒトラー生存の話し、アリゾナの金鉱の話しが紹介され、
フルコスの自伝『知官外の感覚をもつ人・ペーター・フルコス物語』(Psychic: The Story of Peter Hurkos)が紹介される。この自伝は1961年に出版されたという。筆者の所持するフルコス本はなく、世界の超人・怪人・奇人という概略紹介にすぎない。

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世界の超人・怪人・奇人 学研パブリッシング より引用

三つの石で地球がわかる ②

「三つの石で地球がわかる」藤岡換太郎著 講談社ブルーバックス 

地球・月など太陽系の惑星、衛星などはどのように形成されたのか? という疑問から調べ始めたが


そもそも、石はなぜ硬いのか? というのが疑問のとっかかりであった。

この本によると、石を形作っている造岩鉱物が「結晶」という構造をつくっているから石は硬いのです。ということ。わりに単純ですが、、、
そして、地球の構成元素は鉄35%、酸素30%、ケイ素15%の順に多く、地殻の構成元素は酸素47%、ケイ素27%の順だという。(原始地球の大気には酸素がなかったというが、酸素はあふれるほどあったのであるーーただ、大気中から消えていただけだ)

つまりケイ素と酸素で地殻はできているのだ。これはたぶんほかの惑星でも似たような状況なのであろう。表層はともかく、巨大惑星でもその核は岩石などでできているらしいから、、、

話はかわるが、生命の誕生は造岩鉱物の結晶作用の模倣に過ぎない。
おなじ規則の反復が基礎なのである。だから、宇宙空間で橄欖岩ができたのなら、生命の芽も宇宙空間で生まれた可能性を否定できない。ーー論拠はL型アミノ酸のかたよりである。

宇宙空間で、リュウグウから重力の影響を受けるはやぶさ2の運用軌道高度が20kmという現実がある。
これは、数百メートルの岩石が重量600kgの人工天体を引力で引き寄せるという意味である。こんな小さな天体でも引力は顕著なのだ。といって、濃密なガスと塵の雲がなければリュウグウ(もしくはその母天体)は集積することはなかったであろう。濃密なガス雲? 惑星や衛星が形成されるにはどの程度のガス密度がひつようなのであろうlか?

なにしろ、地球や月は一度全体が溶融しているのである。
そうでなければ、鉄は中心核まで沈んでいかなかったであろう。
重力で溶けたのなら、今、月の核が溶けていないのはなぜなのか?
熱が宇宙空間に逃げたというのなら、重力のエネルギーは一度きりの溶融をもたらしただけだったというのか?

そして、1kmに満たない小惑星リュウグウがなぜ今の形を維持できているのか? 一度固まると、それは継続するのか? その持続力とはどんな力なのか?




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この書籍のなかで、とくに気になった部分を書き出してみると、

キーワード①
「しかし、核融合反応によってできるのは、原子番号26番の鉄(Fe)までです。核融合による温度や圧力では、そこまでが限界なのです」と藤岡勘太郎はいう。
「鉄よりも重い元素は、恒星がその一生の最期に超新星爆発を起こしたときにできます。原子番号92番のウラン(U)まで合成されるのです」

かれによると、恒星が惑星をもつとき、最初の惑星であっても生命をつくる必要な元素はすべてそろっている。
ーー生命は100億年前の惑星上で生まれていたかもしれないということなのだ、それが高等生物にまで進化して100億年以上も生き延びているかもしれないのである、今、この宇宙のどこかで。

キーワード②
地球の核は地表から2900kmから下部、中心の6371kmまでの3500kmを占めていて、鉄などの金属でできている。圧力は地表の350万倍、温度は6000℃。外殻は流体で地球磁場を形成。

キーワード③
地表から200kmの地層では、温度1300℃、圧力は6Gpa マグマが生まれる。

(これは、月の場合どうなんだろう? 月の地下200kmにマグマがない(?)のは、ただ単に40億年前に冷えてしまったから?)

キーワード④
「いまから46億年前、宇宙空間のある一隅、現在の太陽系のあたりで、一つの超新星が最後のときを迎えて大爆発を起こしました。爆発で飛び散った物質はところどころで塊りをつくり、もっとも多く集まった場所で太陽が産声をあげました」

キーワード⑤
「重爆撃によってもたらされた巨大な衝突のエネルギーは、熱エネルギーに変換されて、原始地球の温度はどんどん上がっていきます。しだいに原始地球の表面はどろどろに溶け始め、液体のマグマとなります。
表面温度が1600℃になると、すべてが溶けてできた『マグマオーシャン』、つまりマグマの海に地球表面は覆われます」

さて、この重爆撃期は「後期重爆撃期」とよばれるもので、地球の核をつくる金属と橄欖岩であるマントルが分かれた時期、つまり微惑星が衝突して全体が溶融した惑星形成の時期とは区別されなければならないだろう。

地表が溶けても、深部の6400kmまで、ないしは2900kmまでは溶けないのでは?
全体が溶けてはじめて鉄などの金属が比重の違い?により中心にむかって落ちていくのではないか?
46億年前からわずかの時間でこの層状構造はできたのである。

キーワード⑥
「このとき(隕石重爆撃期)に液体のマグマのうち最も重い隕鉄は、中心に沈んでいって、核をつくりました」

ーーこれは上記のように異論があるところである。後期重爆撃期は今から40億年程度まえの出来事と考えられているので、そのときにはすでに地球は微惑星による惑星形成時期を過ぎているとみられるからだ。

月も同じように隕石重爆撃をうけて内部まで全体溶融したのか?

キーワード⑦
「不混和の関係にある橄欖岩と鉄がマグマオーシャンの中で溶けあって、マントルのようなどろどろの液体を形成するためには、少なくとも2000℃を超える温度が必要でしょう。鉄の融点は1538℃、橄欖岩の融点は1890℃だからです」

これは全体が2000℃を超えないと、鉄は地球中心に向かって沈んでいかない、ということを意味している。
(月のマスコンは全体が均一にとけるほど高温にならなかった、まだら模様の溶融だった、ということを語っているのだろうか?)


月の形成

太陽系にはほかにも衛星をもっている惑星があり、衛星をもつことはあたりまえのことのように思える。つまり、衛星がつくられる環境はそれほど特殊ではないのだ。(水星や金星に衛星がないのはなぜだろう?)
太陽系の衛星すべてがジャイアントインパクトで形成されたのであろうか? それは衛星形成の普遍的な過程なのであろうか?

(当初からかんがえていること)
小惑星リュウグウの砂と岩と石を現在も結合させているなんらかの力とは?
太陽系降着円盤のガス・塵の温度は?(超新星爆発時のガスは絶対零度ではないだろうーーその熱が冷却されたのなら、どこへ消えたのか?)
惑星はどのようにして形成されたのか?
月はどのようにして形成されたのか?

これら当初の謎はなかなか解かれない。
つぎの異端といわれるマラークシェフの書籍でその答えが得られるのだろうか?





太陽系の起源と進化―地球誕生の謎をさぐる マラークシェフ  東海大学出版会 (1997/2/1)

本書は岩石学者の目からみた異端の太陽系起源論である。従来の常識に挑戦し、地球の誕生と進化の謎に新風をふきこむ異色ある内容となっている

それでは中身を抜粋してみよう。

①「惑星の核の形成によって生じた遠心力の働きで、溶けた流体の珪酸塩の塊りが惑星を離れ、衛星系がつくられた」

うーむ、衛星の形成はジャイアントインパクト説ではないのである。
その密度について、
「惑星の核に集まっている重い鉄ーコンドライト質の物質に比べて、より軽い流体のエコンドライト質の物質が分離して衛星になったからである」
マラークシェフはこの仮説について詳しい機序を語らない。たとえば、降着円盤ガス雲のかたよりができて惑星の核ができたとか、渦が消失したときに衛星ができたとか、を語らない。

②「太陽系の惑星の起源説には、一般的に3つの異なる仮説がある。はじめの2つは隕石説とよぶことができる。ひとつは、原始太陽系星雲のガスが太陽に集まった後、真空の宇宙空間で生まれたというもの、もう一つは微惑星の集積が原始太陽系星雲の中でおこり、その結果、惑星の温度は惑星を完全に溶かすのに十分な温度になって、これとともに、内部が鉄の核、マントル、外殻に層状分化した」

まさに、微惑星が衝突したとき惑星は完全に溶融したのである。(完全に溶けたら、遠心力で赤道から液滴がすこしは分離していくのか?)

「本書では、これらの隕石説は採用しない。コンドライトを岩石学的に研究したデータと矛盾するからで、コンドライトは原始太陽系星雲の最初の凝縮物とはみなせないのである」

ここらあたりが、「三つの石で地球がわかる」の隕石説と異なるところである。
藤岡氏はコンドライトが宇宙空間でできた?と仮定しているからだ。

③「それは彗星説とよぶことができる」
「氷ー中にダスト状の鉄ー珪酸塩粒子が散在するーからなる固体の彗星に似た物質の塊を、最初の微惑星とみるからである」

「彗星説は、最初カント(1724~1804)によって唱えられ、18世紀末から発展した、ふつうの太陽系の星雲起源説に入る」
「太陽系ではすべての惑星が黄道面とよばれる太陽の赤道面にほぼ一致する平面上にある。太陽の自転と同じ方向に太陽の周りを回る」

このあたり、懇切丁寧に語られていて初心者むきである。

④「衛星イオは大きさ、平均密度についてはほぼ完全な月のコピーである」

そう、月と似ている衛星はあるのだ。

⑤「地球の形成は46億年以上前に、その母惑星の水素の外殻に覆われたもとで、鉄ーコンドライトの溶融した核の形で始まった。同時に、水素の外殻のなかに流動成分ー珪酸塩溶融体の巨大な液滴ができ、これが遠心力をうけて流体の惑星圏からさまざまな距離になげだされ衛星系をつくったが、月はこのなかで、木星のイオと同じ位置を占めた。その後、最盛期の太陽の作用で地球の母惑星は、表面のガスを吹き払われて水素の外殻を失い、これに伴って重力が減少し、衛星系をうしなった(月だけが残った)

これは驚きの仮説である。水素の外殻に地球の母惑星がおおわれたとき、そのときに2000℃を超える温度であった、というのだから。その熱は重力エネルギーなのであろうか?
かれは、超新星爆発から、その熱が冷めず高温で濃密なガス雲のなかで地球の母惑星が形成されたというのである。
ぼくの読み方が間違っているのでなければ。



さて、マラークシェフのとなえる彗星説やこの書籍にある興味深い持論はSF創作の貴重な素材をもたらすが、当初の疑問にはあまり応えてはくれないのである。
岩石学者の太陽系形成論としてはこのようなものである。
この書籍も、微惑星がどのようにして集積したのか、その過程には言及していない。
重力によって集積するだろうことは素人にも推察できるが、重力以前・重力以降、その時期とその集積状況がわからないのである。どのようにして重力集積がはじまるのか?




それらしき理論はネット上にいろいろある。引用してみようーー



(引用)
東京工業大学地球生命研究所 産学官連携研究員の小南淳子太陽系惑星形成シナリオが抱える問題点より


太陽系の惑星は、太陽系の形成初期にあった微惑星が衝突と合体を繰り返して、現在のサイズに成長したとされます(図2)。微惑星が火星サイズの原始惑星にまで成長し、さらに衝突合体を繰り返して地球のような惑星が形成されると考えられています。

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図2:太陽系の惑星が衝突合体を繰り返して成長する様子。「微惑星」が成長して火星サイズの「原始惑星」ができ、さらに衝突合体をして、現在の惑星の姿になったと考えられている。それぞれの過程で確からしいと認められいるシミュレーションが確立している。



しかし、このシナリオには問題点がいくつか残されているそうです。

第一に、微惑星が形成されるよりも前、ガス円盤内で微惑星が形成されていく過程はいまだ明らかになっていません。例えば、ガスの乱流を考慮に入れると、微惑星は形成されない可能性が出てきます。ですから現在は、微惑星ができることを前提としたシミュレーションで研究されています。

第二に、地球上に存在する水がなぜ0.02重量%なのか説明できていません。現在の惑星形成シナリオで計算すると、地球にはもっと多くの水が存在している計算結果が得られるのだそうです。

第三に、太陽系の外縁部に位置する海王星や天王星の形成過程は、実は明らかになっていません。外縁部に位置する惑星を現在の惑星の大きさまでその場で成長させようとすると、太陽系の年齢を超えてしまいます。海王星や天王星は太陽に近い所で形成されて外側に移動して現在の姿になった、などの特殊な惑星形成シナリオも考えられていますが、定説となるものはまだありません。



(引用:理化学研究所 東京大学大学院理学系研究科)

惑星系円盤誕生における角運動量問題解決の糸口
-アルマ望遠鏡で直接観測-

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中心に原始星(白)があり、その周りに原始惑星系円盤(断面で表面がオレンジ色、内部が紫色の部分)が形成されている。赤線のように、外側から落下してきたガス(低温)が遠心力バリア手前で滞留・衝突し、生じた衝撃波によって円盤と垂直方向にガスが膨れ出し、高温になっている。



ネット上の惑星形成論はほぼ数学式で表現されている。
見つかるのは、遠方の系外惑星の形成写真とか、単なる紹介にとどまる。

筆者は、ツイッターには、BBCが微惑星が衝突する現場の早送り映像を4K映像で放送してくれるのを望むと
書いてみたが、
もし、小惑星の砂や岩を結び付けている結合力の秘密が、微惑星形成のなぞに結びつくのなら、それは新たな未知の力の登場ということになるのだろうか?

惑星・衛星の形成は生命誕生とおなじように、現実と非現実の接点があるSF領域なのかもしれない。





驚異物語 (黒沼 健)



驚異物語 黒沼 健  新潮社 1958年(昭和33年)8月15日発行


黒沼 健の異色ノンフィクション読み物シリーズ の一冊である本書には21編の物語がおさめられている。

以下のとおりである。

南海に沈む大陸  5
地球爆発  15
インカの碧玉  27
死の日記  37
「マリーセレスト」第二の悲劇  48
狂男爵フェラリ  61
カルカッタの敗北  66
ニュールンベルグの孤児  85
幽霊を売る男  93
切り裂き・ジャック秘譚 101
ヨーロッパの謎 109
殺人鬼の爪痕 121
新・残酷物語 135
空飛ぶ円盤人種 142
地球は狙われている 161
円盤を狙撃した話 168
九呎ずん胴の巨怪 173
化物蔓と食肉蝶 181
世界で一番強い酒 189
山上の海戦 194
木乃伊の手 204


数字はページ数を示す。


「木乃伊の手」
ー地上最大の預言者といったら、何をおいてもミシェル・ド・ノストラデムス(ママ)をあげなくてはなるまい」
ではじまるこの掌篇は
「と、ハモンは力強く首を振った。彼を過去、現在、未来にわたり、世界のすみずみに起こった現象に結びつけたものは、実にマカターテン王女の、、、」
で終わる。

黒沼健の掌篇シリーズの常套手段である一見関係ないふたつの話題を提示してどちらかをきわだたせる、あるいは関連がある部分を読者に想起させる、二段論法みたいな構成がここでも展開されているのだ。
だいたい、ノストラダムスではじまれば、ふつうその予言者の話で結論がでるだろうと予想するが、いつのまにかストーリーは別の方向にとんでいる、という構成だ。

このノストラダムス、黒沼健はかなり気に入っているーー「謎と怪奇物語」前々回紹介した本ではやはりノストラダムスがとりあげられ、「七十世紀の大予言」ーおどろくべき的中を示した占星術師の話 という副題で詳細に語られているのだ。だが、内容はけっして重複しない、これが彼の主義・やり方なのだ(律儀としか言いようがない)。
2段弁当構造ーーかれのこの怪奇読み物シリーズがたいくつなのに投げ出したくもない、という不思議な短さとあいまって、単調なノンフィクションを飽かず読ませる秘訣なのである。
(これ以外にも黒沼は別の巻でノストラダムスを繰り返し紹介しているーーほんとに好きなんですね)

さて中身を拝見すると

主人公ルイ・ハモンは20世紀のイギリスに現れた予言者である。
地震のまえになまずがあばれる、ハモンにあってはこのような予知力が「時間と空間の障碍を駆け抜けて、未来の世界へ一気に飛び込んでしまうのだ」
マーク・トウェイン、エドワード7世、ロシア皇帝ニコラス2世、タイタニック号、ラスプーチン、、マタ・ハリ、などすべてその死期を予言し言い当ててしまうのである。

こういうかれの霊能力の秘密は最後にあかされる。
エジプトのツタンカーメン王の義妹にあたる「マカターテン王女の木乃伊の手を常住坐臥身辺から離さなかった」彼女の霊に守られていたのだ。(筆者)

ラストシーンは冒頭のとおりである。だが、謎は残るーーいつものように。
それはつまり、なぜなぜ問答である。こんな木乃伊の手とかれの超能力・未来の透視能力がどのように関係しているのか、霊能力は木乃伊を信ずれば得られるのか、いや、そもそもルイ・ハモンの超能力の力の源泉が木乃伊の手なのかどうか、、、黒沼健は例によって沈黙したままふくみ笑いの横顔で去っていくのだ。



「驚異物語」黒沼 健   完了

(ほかの20篇は今回省略しました)
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